【コラム】医療事故をどう見るか1 〜医療事故の動向〜

こんにちは(^ω^ )

実生活がバタバタしておりなかなかブログの更新ができずにいました。ダメですね。。

私ごとですが、近日中に引越しを考えており、研究+学生指導+アルバイト+部屋の片付けでかなり多忙な毎日です((;゚Д゚)))

さて、今回は「医療事故」について、少し法学的視点から記事を書いてみたいと思います。とはいっても難しい法律用語などは出て来ませんし、ナースにとって必要な情報を書いていこうと思います。以前医療安全について記事を書きましたのでそちらも合わせてご覧いただければと思います(リンクはこちら)。




医療裁判件数と平均審理期間

医療裁判件数

医療裁判件数

グラフで示しているように、平成16年までに右肩上がりに増加し、同年ピークを迎えています。原因として、これまでパターナリズム的関係であった医療者と患者の関係が、権利擁護や患者尊重といった社会的風潮によるものと考えられています。さらに、同年発生した横浜市立大学医学部での手術患者取り違え都立広尾病院での末梢ルートへの消毒薬誤注射といった、社会的にショッキングな医療過誤により、医療に対する不信感が蔓延し、特定の弁護士たちもこれに加勢する形で増加したと考えられています。

それ以降は緩やかに減少し、現在はほぼ横ばいとなっています。減少した理由は、裁判以外での話し合いの選択肢が増えたことや、パターナリズム的医療から患者中心の医療へ移行したことによります。

むしろ現在は、トラブルを避けるために必要以上に細やかな対応をしながら医療を行なっている傾向にあり、診療効率等の面から弊害もなくはないようです。

平均審理期間

平均審理期間

減少傾向にはありますが、だいたい2年近くかかると言われており、原告・被告双方が著しく消耗します。

医療訴訟の結果

医療訴訟の結果(H24既済)

判決自体は医療者側の勝訴が多いのが現状のようです。「疑わしきは罰せず」といったところでしょうか…。医療行為はそれ自体で非常に複雑で高度であるため、過失か否か」が争点となりますが、それを証明するための証拠は実際のところ見つけることは非常に困難であると言えます。

論点も多様に変化し、前に示したように期間も長いため、双方が消耗し、和解に至るケースが多いようです。

「和解」を医療者として、特に病院経営に参画する幹部の方はどうとらえるかは、組織あるいはその人たちの考え方によるのかもしれません…。




医療過誤と法的責任

医療過誤と法的責任

表で示してある通り、医療過誤で問われる頻度の高い法的責任は「民事責任」となります。いわゆる民事訴訟で争われ、過失が認められれば被告(医療者側)は金銭の支払いでその責任を果たさなければなりません。

ほかにも、メディアでよく見られるような「刑事責任」や、資格の適否を問うような「行政責任」もあります。両者は頻度としてはまれで、特に行政責任はごくまれです。


医療訴訟について概観しました。僕も働いていたとき、様々な場面でリスクヘッジするよう指導された記憶があります。また、トラブルにならないように事細かに説明と同意を繰り返し、多大な時間と労力を費やしたこともあります。

手術や侵襲を伴うような検査は当然ですが、治療方針や投薬についてもその都度説明する必要は当然あると思います。しかし、それ以上に病棟内の常識的なルール共用物の使用方法などについても非常に細かい説明を看護師がしているのが現状です。

これは僕の私感ですが、「権利」というものには「義務」が伴うと思います。患者側の果たすべき「義務」についても国民レベルで議論する時期に来てるのではないか、と思います。患者の権利の名の下に、無理難題に振り回される看護師が浮かばれないな、と日々感じています。医療不信を煽るような間違った情報も大量に蔓延していますが、多くの医療者は常に患者第一に考え仕事をしています。

一方で、実際の医療過誤と医療訴訟(医療トラブル)には相関がない、という海外の研究結果もあります。その論文では、医療訴訟と強い相関があったのは、「良好なコミュニケーション」であったそうです。

やはり最後はコミュニケーションが大事、ということなのでしょうね。それが難しいのですが。。

次回は実際裁判が行われた判例について紹介したいと思います。


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