昨年度大学院の講義で小児や家族看護学の授業に出席したとき、プレゼンテーションでまとめた発達理論について備忘録的にまとめます。
膨大な量なので、今回はまずフロイトの発達理論についてまとめたいと思います。
精神分析理論
発達理論を学ぶ上で避けて通れないフロイトですが、フロイト(のような立場)の理論は、発達理論の中では【精神分析理論】と呼ばれている。
精神分析理論家の主張としては、
・行動は単なる特性の表面にすぎない
・発達を本当に理解するのは、象徴的な行動の意味や、心の深く内部の働きを分析することが要求される
・早期の親に関する経験は、発達に対し広範囲に影響を与える
といった主張が主である。こうした特性は、精神分析理論の主たる理論であるフロイトの理論をハイライトしたものである。他の精神分析理論家で有名な学者にエリクソンがいる。
-フロイトの理論 Freud’s Theory-
・フロイトは、自分がみていた患者の問題が人生初期の経験からくるものであるということに気づいた。
…子どもの成長=喜びや性的興奮が<口→肛門→生殖器>と移る過程で成長する
→心理性的発達(psychosexual development)を5期に分類した
・口唇期 Oral Stage (-6m):乳児の快楽は口唇が中心である時期。刺激の焦点は口唇で、摂食をはじめ、吸うこと、咥えること、噛むことなどを通して快楽覚を得る。
・肛門期 Anal Stage (6m-3y):子どもの快楽が肛門に向かう時期。排泄物を放出することで緊張や不快を軽減する(=快楽を得る)
・男根期 Phallic Stage (3y-6y):子どもの快楽が性器に向かう時期。生殖器の操作によって快楽を得る。パーソナリティ発達に最も重大な時期。
*エディプスコンプレックス…女児が男根に対する羨望を持ち、自分にはないことに対しコンプレックスを抱くこと。性的発達により徐々に男根を求めるようになる、という考え方。
・潜伏期 Latency Stage (6y-思春期):子どもは性的興味を抑え、社会的・知的技術を向上させる時期。性的欲望へと向けられていたエネルギーが他の行動(両親との愛情を発達させる・他者との間に絆を確立する)へ向かう。
・性器期 Genital Stage (思春期-):再度性的興味に目覚める時期。性的快楽の源は家族ではない他者になる。大人の性と関連したものになり、身体的な性の発達は、心理的な性の同一性と役割を伴うようになる。
☆成人のパーソナリティ…それぞれのsテージの快楽の源と現実の要求の間での葛藤を解決する方法によって決定する。
*フロイトは精神分析のパイオニア…フロイトの理論は多くの精神分析理論家によって著しく改変された。しかし、今日の精神分析理論家は、フロイトは過度に性的衝動を強調しすぎていると主張しており、文化的経験の影響が大きいという立場を取っている。
○エリクソンは、フロイトの考えを修正した。
(次回はエリクソンの理論について概観します)