こんにちは(°∀° )
最近寒暖の差が本当に激しいですね!先日東京は51年ぶりの気温差だったとか…
台風も来たり、空が重たいときもありますが、体調管理は注意しましょう(´Д`;;)
さて、今日は看護師のWLB(ワーク・ライフ・バランス)について、研究動向から考察したことを書いていこうと思います。(前回WLBについて書いた記事も是非!→ワーク・ライフ・バランス(WLB)とは何か?WLBの基礎)
一般的なワーク・ライフ・バランスの指標
内閣府が発表している「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」によると、国民が仕事上の責任が問題なく果たせる一方で、個人の生活も充実した状態を指すとのことです。
「国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会」内閣府ホームページより
WLBの指標として、ワークライフバランス塾と学習院大学経済経営研究所が開発した指標「WLB-JUKU INDEX」があります。これは、組織内のWLBに関する施策等の評価、WLBに関する施策等の適応、従業員の利用状況などを総合的に評価するものです。(※詳細はリンクを参考してください。)
この指標を参考に、日本看護協会が作成した指標「看護職のワーク・ライフ・バランス(WLB)インデックス」があります。これは、「その職場がWLBに配慮された職場かどうか」を評価する施設評価票と、「施設で働く従業員がWLBを享受できているかどうか」を評価する職員評価票に分かれています。
バランスのあり方を考える
ざっくりとしたテーマですが、WLBの研究や実践を考える上で、非常に重要な視点です。みなさんはWLBと聞いたり、WLBを考えるとき、何を想像し、どのような状態を仕事と家庭(私生活)のバランスが取れていると感じますか?
先ほど紹介した指標は、看護協会版職員評価票の一部を除き、いずれも職場環境を測定しています。
しかし、前回の記事で紹介した仕事と家庭間の役割葛藤(ワークライフコンフリクト: Work-life conflict)に代表されるように、仕事と家庭(私生活)のバランスは、個人が仕事生活や私生活にどれだけ重きを置いているか、すなわち、個人がどう感じているかに依存します。
つまり、理想的なWLBを考える際、環境を考慮すべきか、個人の心理面を考慮すべきかという問題があります。
真の仕事と生活の調和がとれた状態というのは、環境と個人の知覚は全く別の概念として作用するのか(赤ルート)、環境ありきで個人の知覚を通じて作用するのか(青ルート)、あるいは個人の知覚が環境と調和のとれた状態の間の関係強めたり弱めたりするのか(黄ルート)を検討する必要があります。
なぜそのような議論が必要なのでしょうか?どれも正しそうだから全部やればいいじゃん!とお思いになるのもごもっともです。
しかし、施策実現のための資源(人や資金など)は限られていますし、全てを強化するにしても、バラバラにそれぞれで強化しても効率的なシステムにはなりません。
一方で、誤った研究結果等で、どこかだけ強化しても、不要な人に無駄な資源が投入されたり、必要な人に資源が投入されない、といった非効率なシステムになってしまいます。
環境(育児支援施策や配置転換、夜勤免除など)だけを考えると、育児をしていてもそれまでと同じようにフルで働きたい人や、ライフイベントを迎えていない従業員にとっては不満の元となりがちな職場環境になってしまいます。
また、個人の知覚だけを考えると、それこそ個別性が煩雑になり過ぎてしまい、組織や就業システムが成り立たなくなってしまいます。
どちらの要因も考えることが重要ですが、両方の要因がどのように作用して仕事と生活の調和につながっているのかを検討する必要がありますが、残念ながら看護領域での研究でこの要因を丁寧に検討している研究は見当たりません。
今後も自分の研究テーマである、看護師のWLBについて研究を続けていこうと思います。