こんにちは(°∀° )
今回は久しぶりの小児看護の発達理論についてまとめていきます。
これまで3回のシリーズでは、フロイト、エリクソン、ピアジェの理論について概観してきました。
(*リンクについてはこちら→小児の発達理論1、小児の発達理論2、小児の発達理論3)
今回は、社会文化的認知理論と情報処理理論を概観したいと思います。この2つの理論とこれまでの理論との大きな違いは、これまでの理論は個人の内的要因による発達に着目していたのに対し、今回紹介する2つの理論は、外的な要因による発達に着目している点です。それを踏まえて見ていただけると理解しやすいかな、と思います。
では早速見て行きましょう!
社会文化的認知理論
社会文化的認知理論を提唱したのは、ロシアの発達心理学者であったヴィゴツキーです。ヴィゴツキーは、既存のフロイト精神分析学をはじめ、行動主義心理学、人格主義心理学などを強く批判しており、自ら社会文化的認知理論を提唱しました。
主 張
・子どもは活発に知識を構成している
・ピアジェの主張よりも、認知発達においてはるかに社会相互作用や文化が重要であると考えていた
→社会文化的認知理論:文化や社会的相互作用が認知発達を導く
・子どもの発達は社会的かつ文化的活動と切り離せない
・認知発達は、社会の発明(言語、数学、記憶戦略)の使用を学ぶことである
*例えば、ある文化ではコンピューターで数を数えるようになるかもしれないし、他方では珠算で学ぶかもしれない
・より技術をもつ成人や友人との社会的相互作用は、彼らの認知発達とは切り離せない
・この相互作用を通して、文化に適応したり文化の中で成功するであろうツールの使用を学ぶ
情報処理理論
情報処理理論とは、個人が情報を処理し監視し、それについて戦略をたてる一連の発達理論です。
*情報という外的刺激をベースにたてられた理論ですので、そういった意味ではヴィゴツキーの理論に似ています。
・この理論では、他の理論と異なりステージのようなものとして発達を表してはいない
→その代わりこの理論は、個人が複雑な知識や技術をますます身につけさせる情報を処理するためのキャパを徐々に増やすことで発達する、と主張しています。
・思想=情報を処理すること
→個人が情報を知覚し、変換し、表現し、蓄積し、検索するとき、人々は考察している
・発達の重要な面は、情報を処理するための良い戦略を学習することである、というのがコアとなる主張です。
これら2つの理論は、日本の看護教育ではあまり触れられる機会がない理論ですので、サラッと概観しました。興味のある方は、海外の小児発達の教科書や、心理学系の教科書を読んでみると良いと思います(^ω^ )