看護研究に使える書籍紹介1 〜研究の基礎編〜
こんちは(°∀° )東京は今日も暑いです…
先日六本木のランチに行ってきました。田舎者の僕にとって、東京の景色はいつみても魅力的です!
先日、学部生の卒研指導をしているとき、学部生から「看護研究ってそもそも全体像がわからないからどう取り組んで良いか、どこに向かっていけば良いかわからない…」という悲痛な叫び(?)を伝えられました。
うーん…たぶん看護研究Ⅰ(みたいな名前の)授業でやってると思うんだけど…(´・ω・`)と思いながら、一緒に使えそうな書籍を探してあげました。。
学部生以外にも、臨床で看護研究担当になってしまったけど、どう手をつけていいかわからない…!という人も少なくないのではないでしょうか。
そんな方々に、僕の主観で選んだ、看護研究で使えそうな書籍を紹介したいと思います!
臨床での看護研究担当者&学部学生向け
臨床で看護研究をやるのは、時間も限られているし、ふとした相談も難しく、悩むことはとても多いと思います。実際僕も退職前の3年間、病棟の看護研究担当でしたが、テーマやデザインを考えるときに、相談に乗ってくれる人がいなくてとても悩んだ記憶があります。
そんなみなさんには、1冊でさっくりまるまる看護研究の概論を理解できる!という本が役に立つと思います!
そんな方々にオススメなのがこの本…
ざっくりと、それでもわかりやすく看護研究について、リサーチクエスチョンの立て方から論文のまとめ方まで書かれています!臨床で看護研究が苦手な方の他に、卒論に取り組み始めた学部学生にもやさしい本になっています。
さらに、研究に取り組む物の見方や、効率的に研究を進めていくための方向性を示してくれるのがこの一冊。
この本は学生から修士課程の学生まで幅広い人たちに有益な情報が掲載されています。大学生の時にこの本に出会いたかった…!と心から思う一冊です。どっぷり研究だけ、という本ではなく、世の中にあるデータの見方やノートの取り方といった勉強法、プレゼンテーションの仕方までをわかりやすく、そして面白くまとめてあります。
大学院修士課程向け
修士課程では、実際に学術的な論文を書いていくことを求められます。
「看護学」のための学術的な視点で研究を進めていく必要があるので、研究疑問を明らかにしていくだけでは学術的とは言い難いです。
研究とは何か?というところから深い理解が必要となります。
そういった根本的なところから、方法論のところまで深く詳しく書かれた本がこちらの二冊。
修士課程に通う学生は必ず読んでいると思いますが、この二冊をしっかりと読み込んで理解すれば、研究計画書を書く段階から大きくずれることなく進められると思います。
ただ、改訂版がしばらく出ていないので、最新の方法論や情報は必ずしも網羅されていないので注意が必要です。
例えば、混合研究法(mixed methods)に関する情報は少ないです(修士課程の2年間でmixed methodsで取り組もうとする方は少ないと思いますが…)
mixed methodsに興味のある方はこちらの本がオススメです。
長年mixed methodsに取り組んでこられた抱井先生が書かれた、ものすごくわかりやすい一冊です。
大学院博士課程向け
博士課程の学生はすでに自分から研究に関する書籍は読んでいると思いますので、僕が研究室にいつも置いている本をいくつか紹介します。
修士課程で紹介した二冊の英語版ですが、こちらは頻繁に改定されており、懸念していたmixed methodsについても書かれていますし、1冊目の「Nursing Research」は、「研究とは何か?」という科学哲学的な説明も丁寧に書かれているところが僕はお気に入りです。
さらっと、かつ深く理解したい方はこちらの一冊もオススメです。
教育心理学を専門にしているDr. Creswellが書いている、主に研究デザインに焦点を当てた本です。方法論的な視点よりも、研究を行う上での枠組みの作り方に重点を置いた一冊です。彼が精力的に広めているmixed methodsについても詳細に書いています。
和訳された看護研究法の教科書がほとんどないので、必然的に英語の教科書になってしまいますが、慣れればあまり苦なく読めます(最初は苦しかありませんでしたが…)ので、どれか一冊は手元に置いておくと良いでしょう。
さて、いかがでしたでしょうか。正直、教科書や参考書は人間関係と一緒で、相性があると思います。どれが自分に合っているか、いろいろ試してみると良いでしょうし、第一感でビビッとくるものがあれば、使い込んで長い付き合いになっていくと愛着も湧いて来ます。
みなさんの教科書選びに、少しでも力になれたら嬉しいです。