思春期の自殺について。 〜小児精神のはなし〜

今回は、大学院の授業でディスカッションした内容から、興味深くみなさんに伝えたいと思ったことを書こうと思います。

M1のとき、自分の研究とは全く関係ないのですが、自分のこれまでの経験と、小児看護や家族看護が好きでほとんど無駄ですが小児領域の授業をとっていました。
そこで、「思春期の発達」のコマがあり、中高生の自殺についての議論があり、いろいろと考えることが多かったのを覚えています。



下の表は、内閣府が発表している学生・生徒等の自殺数年次推移です。
ここ数年は減少傾向にあるものの、子どもが減っていることを鑑みると、割合としては…どうでしょうか。

残念なことに、1年に必ずと言っていいほど、メディアで
「いじめによる自殺」が話題にのぼります。

そんな報道が出るたび、「教員の責任は?」とか、「LINEの普及でつながりが」とか、「加害者はどんな生徒だ?」とか、いろいろ騒がれます。

しかに、いじめによる自殺に関しても、 対策を講じなければなりませんが、まずは下の表を見てもらい、考えて欲しい。

あれほどメディア等で騒がれるいじめの割合は高くなく、女子小学生の11.1%が割合としては最高で、男子小学生に至っては0%、よく話題にあがる中学生も、男子5.8%、女子4.2%。統計上少し気になるのが、「うつ病」はひとつの項目として独立していて、うつ病の原因がここに並んでいることが原因の場合はないのかな、と気になります。
さておき、驚くべきは、「家族からのしつけ・叱責」や、「親子関係の不和」といった、家庭における問題が並んでいます。ちなみに、単純に計算すると、
男子小学生家庭での原因64.5%、学校での原因(いじめ含む)35.2%
男子中学生家庭での原因30.4%、学校での原因(いじめ含む)17.7%、学業での原因32.5%
女子小学生家庭での原因66.6%、学校での原因(いじめ含む)27.8%
女子中学生家庭での原因18.8%、学校での原因(いじめ含む)42.4%、学業での原因12.5%
となります。

もちろん、自殺後に調査した原因がすべて正しい原因で、かならずどこかに分類されるとは思っていませんし、様々な要素が絡み合って、非常に残念なタイミングで自殺に至ったのだと思います。しかし、この調査と、メディアや世論の認識は、どこかかけ離れてはいないでしょうか?

僕はこのデータをみて、学校よりも家庭の問題の方が深刻だな、と感じました。
児童精神に携わっていた看護師の話を聞くと、いわゆる児童精神科に受診する段階では、すでに遅すぎるケースが圧倒的に多いように感じました。
もちろん、子どもの可能性は無限大だと、小児看護に携わったことがあるのでよくわかりますが、もっと早い段階で介入する必要性を感じました。
ですが、家庭は本当に密室。。どう子どものSOSを早期に察知して、未来を潰さないようサポートしてあげられるか…悩ましい問題です。

今一度、看護職として、子どもたちの未来を考える大人のひとりとして、考えを改める必要があると感じました。みなさんにもぜひ考えて欲しいな、と思います。

*参考資料:学生・生徒等の自殺をめぐる状況ー内閣府
※ブログでは触れませんでしたが、高校生や大学生についても掲載されています。

思春期の非行・自殺, 宮城県精神保健福祉センター所長 小野善郎, 母子保健情報60号, 2009




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