看護師の職場と労務管理① ~労働基準法について~

クリスマスイヴですね!みなさんはいかかお過ごしでしょうか(^^)僕は昨日家でパーティーをして、今日は夜勤バイトです(`_´)ゞ東京は天気も良く、楽しいクリスマスが迎えられていることでしょう☆

今回は看護師の労務に関する法律である労働基準法(労基法)について解説していきたいと思います。

みなさんはご自身の職場の労働条件や就労規則についてご存知ですか?労基法って、自然と僕たちの働き方を守ってくれていると思っていませんか?半分は当たっていて、半分は間違ってます。それはなぜでしょうか?看護師の職場に関する労基法について概観しながら、考えてみましょう。




勤務シフトに関わること 労働時間と休日

一般の企業や行政など(いわゆるホワイトカラー)の勤務時間は、週40時間以内、1日8時間以内と労基法32条で定められています。ですが、看護師をはじめとする医療の現場は24時間365日休むことなく稼働しています。そうした場合、様々なシフトによって従業員の勤務時間が定められていきます。こうした変則的なシフトによって勤務時間を決めるやり方を「変形労働時間制」と呼びます。変形労働時間制とは、一定期間を平均して労働時間を計算する制度です。変形労働時間制には、1か月単位、1年単位、フレックスタイム制などがあります。

病院等における看護師の場合、夜勤や変則日勤などがある職場がほとんどですので、この「変形労働時間制」を採用しています。ですので、ある週に勤務が詰まってしまって40時間を超えることがあっても、一定期間(おそらく多くは1か月単位)の延労働時間数が適切であれば労働基準法違反にはならない、ということになります。

また、1週間に少なくても1日(就業規則などで4週間に4日の休日と定めた場合は4週間に4日)の休日を与えなくてはならないので、もし仮に、人員不足等で1か月の公休(土日休みにあたる必ず取得すべき休日)すら取れなかった場合、休日労働ということになるので、その日の労働に対しては、3割5分以上の率で計算した割増賃金が働いた人に支払われる必要があります

この点に関して、もしご自身の職場で心当たりがあるようであれば、就業規則を見直してみると良いでしょう。

ちなみに、僕が所属してる大学の教員などは、これとは別の「みなし労働時間制」という制度が採用されています。大学の教員は実習や学会、調査などで大学の研究室(事業場所)以外での活動も多く、労働時間を算定するのが難しいため、一定の労働時間について労働時間労働したものとみなす制度です。

有給休暇に関わること 労働基準法の注意点

労働基準法第39条第1項では、

使用者は、その雇入れ日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

と記載されています。有給休暇の具体的な日数に関しては、厚生労働省が公表している資料がわかりやすいのでこちらを参照してください。この資料によると、最大20日の有給休暇が与えられることが法律で定められています。

この労基法39条で注目すべきポイントは、使用者の義務として有給休暇の「付与」が義務となっており、「取得させること」は義務にはなっていません。また、第39条第4項に取得に関する条文が記載されていますが、労働者が請求する時季に与えなければならない」と記載されており、労働者が請求してはじめて有給休暇を取得することに法的拘束力がかかってきます

ですので、「全然有給をくれない!」と嘆いている方々は、必ず請求することをお勧めします。なぜなら、残念なことに使用者は有給休暇を「付与した」時点で義務は果たしているのですから…。

またこの第4項では、

「請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる

という条文も記載されており、労働者が請求したその時に与えなくても良いかのような文面になっています。このあたりは現場での就業規則を見直してみましょう。




休憩や就業時間に関わること

労基法第34条1項では、休憩に関する規定として

「6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間、労働時間の途中に休憩を与えること」

が義務付けられています。これは1日の勤務中ではなく、1回の勤務中に適応されることがポイントです。多くの病院で採用している二交代勤務では日をまたぐ勤務となりますが、1回の勤務なので、労基法上は16時間の勤務であっても1時間の休憩で良いことになります。

ただし、日本看護協会が出している夜勤ガイドラインでは2~3時間の休憩を与えることが推奨されていますし、36協定を元にした就業規則がある場合そちらが効力を持つので、これもやはり就業規則を確認してみましょう。

また休憩時間とは、完全に労働から解放された時間で、労働者が自由に使える時間と定義されています。つまり、休憩時間であってもPHSで呼び出される可能性があるとか、記録をしなくてはならないといった場合は休憩時間とはみなされないのです。夜勤の休憩中に呼び出される…なんてこと、経験ないですか?そんな場合は時間外労働ですので、しっかり請求しましょう!

労働条件や就業規則に関わること

入る前に詳しい労働条件なんて知らなかったし、就業規則なんてもの見たこともない…!なんて方、いませんか?

使用者は雇い入れ時に次に挙げるような労働条件を書面にして渡し明示する必要があります。入職したときにもらうたくさんの書類の中に、きっとあるはず。

①労働契約の期間に関すること ②就業の場所及び従事すべき業務関すること ③始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇ならびに就業時転換に関すること ④賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切及び支払の時期に関すること ⑤退職に関する(解雇の事由含む)こと など

また、就業規則に関してですが、労働者が10人以上いる職場では就業規則作成の義務があり、かつ労働者の過半数を組織する労働組合または過半数代表者の意見を聞いて作成する義務もあるのです。ですので、今の働き方や就業規則そのものについて見直して欲しい場合などは、直接使用者に訴えるよりも、労働組合を通して交渉してもらったほうが意見が採用されやすいかもしれません(労働組合に入っていることが条件ですが)。


いかかでしたでしょうか?法律とは非常にややこしいですよね…。使用者が配慮することが義務付けられていることと、労働者が権利を主張して効力を持つものの2種類が存在しています。ただ不満を抱えながら仕事をするのではなく、しかるべき手順で正当な権利を主張することによって、さらに良い労働環境が作り上げられていくのですね。

第2弾では、産前産後休暇や育児休暇に関わることについて詳しく見ていきたいと思います。

***このテーマで参考になる図書・文献***




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