【コラム】診療報酬改定からみる地域包括ケアシステム

こんにちは!

かなり長い間更新期間が空いてしまいました。。申し訳ない!

忙しかったのは事実ですが、とても充実したリアルを過ごしていました(°∀° )勉強になることも多々あり…

 

さて、今回は今春の最大の関心事と言っても過言ではない、診療報酬についての記事を書いてみようと思います。今回の診療報酬改定の要点については、厚労省をはじめ他の多くの情報源で解説されていますので、今回の記事ではその改定の大きなテーマである「地域包括ケアシステム」について、改定を踏まえた僕の解釈を書いていこうと思います。




これまでの医療システムからの転換を求められる医療施設

今回の改定の重点課題として、

地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進

が謳われています。

つまり、急性期、回復期、慢性期に関わらず全ての医療機関が地域包括ケアシステムへの対応を求められることになります。

「要するにどういうこと…?」と思われるでしょう。具体的には、医療施設のある地域における自分たちの施設の果たすべき役割を理解して病院運営をしていきましょう、ということです。

これまでのように、他施設と7対1を巡って競い合う時代は終わり、地域における役割の中で他施設との違い(果たすべき役割)を明確にしていくことが必要ということです。

こうした対応が求められる背景として、大きく2つの変化が関係していると僕は思っています。それは、

①患者の動きの変化

②患者の人口構造の変化

です。

①患者の動きの変化

これまでの医療システムは、脳血管疾患や心疾患をターゲットにした、超急性期→急性期→回復期→慢性期という一連の流れに耐えうる医療システムでした。日本人の死因の上位を常に占めてきたこういった疾患を中心とした医療システムは、かつては必要だったのです。

しかし、現在はすでに医療を受けている人が新たな疾患によって超急性期的な治療が必要になったり、要介護者が誤嚥性肺炎で一時的な治療が必要になったり、急性期の患者がすぐに自宅療養できるような在宅医療体制になっていたりと、三角形の階層の上(三次救急)から下に患者がおりてくるような患者の動きではすでになくなっているのです。

こうした患者の動きに柔軟に対応するためには、地域において、診療所や訪問看護ステーションから大きな病院に至るまで、ヒエラルカルな構造ではなくネットワークとして地域の医療システムを考えていく必要があるのです。

地域の医療ネットワークで重要な視点として、やはりケアマネージャー地域連携室が非常に重要な立場として運用されていく必要があります。

とりわけ三次救急病院は、その地域における高度な医療を請け負う存在として、地域医療ネットワークのバックアップ的な立ち位置として存在することが重要だと思います。

②患者の人口構造の変化

これまで、未来の日本人の人口構造に合わせた医療システムがまわってきました。

しかし、DPCデータや病床機能報告制度など詳細なビッグデータを解析すると、地域ごとにその医療ニーズや地域医療のあり方が違うことが明らかになっています。

つまり、国単位での人口構造の変化に合わせた医療システムでは地域ごとに齟齬が生まれ、本質的な問題解決に至らない、ということです。

具体的に(少し極端に)いうと、急性期治療のニーズが多い地域では今でいう7対1病院が多く必要ですし、逆にリハビリが必要な人が過剰にいる地域では、急性期病院より回復期病棟や療養病床が必要になります。

人口構造の変化を地域ごとに見直して、そこにこれまでのDPCデータと掛け合わせ、自分たちの地域にどの種類の病床が過剰で、どの種類の病床が不足しているかを分析して地域ごとに医療を考えましょう、というメッセージが今回の診療報酬に込められていると感じます。




医療施設の対応

2025年に向け、高度急性期機能・急性期機能・回復期機能・慢性期機能の4区分を自らの施設特性等から考え、どれかを選択して地域医療の中での位置付けを明確にします。

これまでと大きく変わらないように感じますが、2025年に向け、地域の中でどういった役割を担っていくのか、という重要な選択を迫られていることになります。目先の利益や利権に惑わされて、診療報酬という「点数」に合わせて施設機能を変化させていては、この先施設として生き残るのはかなり厳しいと個人的に思います。

地域医療、自施設の役割、自施設の特性、地域の人口構造といったことを真剣に考えてこの先の施設の方向性を決めていく必要があるのだと感じます。

それに加え、今回の診療報酬改定のポイントとして、医療者の働き方改善に関する事項も挙げられています。

世間も今は働き方改革で盛り上がっていますが、これから先、医師や看護師、コメディカルといった医療提供者を惹きつけるような魅力的な施設にならなければ、施設は近い将来立ち行かなくなるでしょう

看護師はすでに気づいています。医師も気づき始めました。医師は働きまくるもの、看護師は補充できるもの、という考えはすでに古く、若年層の医療者はすでにWLB(ワークライフバランス)を求めて職場の移動を始めています。この点にも、経営陣にはぜひ真剣に取り組んでほしいところです。


いかがでしたでしょうか?久しぶりの記事にしては少し看護から離れてしまった内容でしたが、ご意見等ございましたらぜひコメントいただければと思います。




 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です